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沖縄県弁護士会

一審被告らは,放送事業者は放送番組の編集に当たって,意見が対立し ている問題については,できるだけ多くの角度から論点を明らかにしなけ ればならないとされている(同法3条の2)と主張し,確かに,一審被告 NHKは,前記認定のとおり,本件番組について,単に女性法廷を記録す る番組ではなく,女性に対する戦時性暴力を人道に対する罪として裁くと いう世界的な潮流において,女性法廷を東京裁判以来の歴史の中に位置づ け,その歴史的意義を考察する教養番組を制作することを企図したもので あるが,本件番組が取り上げる女性法廷は,いわゆる従軍慰安婦問題とい う人道に対する罪の戦争責任を問うもので,フェミニズムの問題を含む微 妙で議論を呼ぶテーマであり,公平性・中立性や多角的立場からの番組編 集が必要とされるものではある。
しかしながら,一審被告NHKの本件番組の制作・放送については,前 記認定のような編集過程を経て本件番組を完成させ放送した行為であるこ とに照らすと,前記のとおり憲法で尊重され保障された編集の権限を濫用 し,又は逸脱したものといわざるを得ず,取材対象者である一審原告らに 対する関係においては,放送事業者に保障された放送番組編集の自由の範 囲内のものであると主張することは到底できないというべきである。
カなお,一審被告NHKは,実際に放送された本件番組の趣旨は,本件提 案票の記載に沿ったものであり,26日以降の変更部分も合理的なもので あると主張する。
しかしながら,C38の発言の削除部分はC27裁判長 のコメントにより代置したとの主張については,当事者であったC27裁 判長の発言をもって第三者としてのC38の発言に代えることは公正さの 点から問題であり,被害女性の発言は証言者が泣き崩れたり失神して非常 に強い印象を与えるから削除したとの主張については,失神部分のみ削除 すれば足りたことから理由がなく,天皇に責任があるとするのは意見が分 かれるから判決の説明部分を削除したとの主張は,日本国や天皇に法的に 責任があるとすることには意見が分かれることを再度説明したり,一審被 告NHKの意見ではないことを明示する等して放送することや,仮に天皇 に対する名誉毀損の虞があると思料すれば,日本国の責任等としたり,匿 名の個人とする等して判決の内容を説明することも考えられるから理由が ない。

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